NEWS & TOPICS

ニュース 実施報告 POST:2023.10.16第2回CILP Study Seriesを開催しました

国際法政策センターでは、CILP Study Seriesと題して、国際法に関する研究会を開催しております。

2023年10月15日に実施した第2回では、「災害から生じる移住」をテーマに、徳永恵美香特任講師(大阪大学)、加藤雄大講師(東北医科薬科大学)からご報告をいただきました。

徳永講師からは「災害時における人道支援と被災国の義務」と題して、「人道支援」の定義、またその人道支援に関わる法原則についてご報告いただきました。本報告で紹介された被災者の人道支援に対する権利および被災国の義務をめぐる議論について、参加者からこれらの権利および義務の法的性質を中心に質問がなされました。

加藤講師からは、「いわゆる『環境難民』の時間的適用範囲―その不在」と題して、「環境難民」に関する学説上の定義と関連する判例の分析を踏まえたご報告をいただきました。報告では、「環境難民」概念で鍵となる「時間的要素」が取り上げられ、その「時間的要素」に関わる種々の因果関係の特定が困難であることが指摘されました。報告後、学説において「環境難民」から「気候難民」へと関心が移っている背景や、これらの概念を通じて提供される法的保護の内容について質問があり、報告者から回答がなされました。

報告後の自由討論でも、「災害から生じる移住」を国際法の観点から論じることの意義と課題を含めて、活発な議論が展開されました。