▸開催日時:2024年10月24日(木)―25日(金)
▸開催形態:ハイブリッド形式(対面+Zoomによるオンライン配信)
▸場所:東北大学川内キャンパス分科総合研究棟
2024年10月24日(木)および25日(金)、東北大学国際法政策センターは、小田滋元国際司法裁判所裁判官の生誕100周年記念シンポジウムを開催しました。
東北大学は、国際法学の分野での理論的研究や人材育成を通じて、これまでに国際社会における法の支配の実現と紛争の平和的解決に大きく貢献してきました。こうした国際的な貢献を牽引したお一人が、1976年から2003年までの27年間の長きにわたり国際司法裁判所裁判官を務めた小田滋名誉教授(本学法学部在職期間1950年-1985年)です。
2024年10月22日に小田名誉教授が100歳のお誕生日を迎えることを記念し、本センターでは、小田名誉教授が特に重要な業績を残した国際裁判や紛争処理、国際法の遵守・履行確保等のテーマを取り上げて、それらに関する現代的諸課題を検討するための国際シンポジウムを開催しました。
冒頭の開会の辞において、本学の冨永悌二総長は、東北大学がこれまで国際法の研究を牽引して、その中でも小田名誉教授は国際紛争の平和的解決と国際法理論の発展のために多くの業績を残されたこと、またさらに同名誉教授が学内行政においても東北大学の発展に寄与してきたことを述べました。また、東北大学が国際卓越研究大学の候補として認定されたことを受けて、国際法政策センターには、これまでの国際法分野での本学の実績を引き継ぎ、更に発展させるという役割が期待されていることが説明されました。
続いて、植木俊哉国際法政策センター長(本学理事・副学長)の開会挨拶では、参加者への謝意が述べられるとともに、小田名誉教授のご活躍が世界中の国際法研究者、また国際法に関わる法律家たちに及ぼした大きな影響が紹介されました。この際、国際司法裁判所による小田名誉教授の100歳をお祝いするプレスリリース、および、Salam同裁判所長からご家族に送られたご祝辞が読み上げられました。
さらに、岩沢雄司国際司法裁判所裁判官には、オランダのハーグからオンラインにてご参加いただき、国際司法裁判所を代表して本シンポジウムにご祝辞を頂戴しました。岩沢裁判官からは、海洋法の世界的な権威として知られた小田名誉教授の法律家としての国際的なご活躍と、27年間もの長きにわたり国際司法裁判所の裁判官として果たした国際法および同裁判所の判例法への発展について詳細にご説明いただきした。
シンポジウム1日目の24日(木)に行われた第1セッションでは、国際裁判における気候変動をテーマに、国際裁判所が現在対応を求められている気候変動訴訟について、多角的な分析が行われました。国際法政策センターからは、植木センター長が座長を務め、また西本健太郎副センター長が発表を行いました。
シンポジウム2日目の25日(金)は、紛争解決および遵守制度における国際法の価値調整をテーマに、国際法政策センターの西本副センター長が座長を務めて第2セッションが行われました。本センターの尾﨑久仁子客員教授による国際刑事法に関する特別講演に続き、国際経済法、国際環境法、国際人権法の観点からそれぞれ報告が行われました。
参加者は各報告に対して熱心に耳を傾け、活発な議論が交わされました。